この記事のポイント
- 暫定球はOBやロストボールの可能性があるときに「念のため打っておく」ボール
- 打つ前に必ず「暫定球を打ちます」と同伴者に宣言する必要がある
- 元のボールが見つかれば暫定球は取り消し。見つからなければ暫定球でプレー続行
- 暫定球を打たないと、元の位置に戻って打ち直す「往復ペナルティ」で時間ロス
OBかも...でも戻って打ち直すのは大変ですよね
ドライバーを振り抜いた瞬間、ボールが右の林へ。OBかもしれないし、ギリギリセーフかもしれない。
もし暫定球を打たずに前に進んで、ボールがOBだったら? ティーグラウンドまで戻って打ち直し。後ろの組も詰まって大迷惑です。
こういう事態を防ぐのが暫定球の仕組みです。
ボール探索の制限時間
2019年の改定で5分から3分に短縮されました(R&Aルール18.2a)
暫定球とは
暫定球(プロビジョナルボール)とは、元のボールがOBまたはロストボールになる可能性がある場合に、時間節約のために打っておく予備のボールです。
暫定球を打てる条件
- 元のボールがOBの可能性があるとき
- 元のボールがペナルティエリア外で紛失する可能性があるとき
ペナルティエリアに入った場合は暫定球を打てない
ボールがペナルティエリア(赤杭・黄杭のエリア)に入ったことがわかっている場合は、暫定球を打てません。ペナルティエリアのルール(規則17条)に従って処理します。ただし「ペナルティエリアに入ったかOBか不明」な場合は暫定球を打てます。
暫定球の正しい手順
宣言する
打つ前に「暫定球を打ちます」と同伴者に宣言します。この宣言がないと、暫定球ではなく「インプレーの球」とみなされ、元のボールは自動的に放棄されたことになります。
暫定球を打つ
元のボールを打った場所から暫定球を打ちます。ティーショットの場合はティーイングエリアから。ティーアップしてOKです。
元のボールを探しに行く
暫定球を打った後、元のボールの落下地点に向かって探します。探索時間は3分以内。
結果に応じて処理する
元のボールが見つかった→暫定球を拾い上げ、元のボールでプレー続行。見つからなかった(またはOBだった)→暫定球でプレー続行(1打罰が加算)。
暫定球を打った後のスコア計算
元のボールがOB or ロストだった場合
ティーショットがOBで、暫定球をフェアウェイに打った例:
| ショット | 打数カウント |
|---|---|
| 1打目(OBのティーショット) | 1打目 |
| OBペナルティ | +1打罰 |
| 暫定球のティーショット | 3打目(打ち直し) |
つまり暫定球のティーショットは「3打目」としてプレーすることになります。これが俗にいう「打ち直し3打目」です。
元のボールが見つかった場合
暫定球はなかったことになります。暫定球を拾い上げて、元のボールでプレーを続けます。ペナルティなし。
NG 「OBかも」と思いながら暫定球を打たずに前へ。結局OBで、戻って打ち直しに5分以上ロス
OK 「OBかもしれない」と思ったらすぐ暫定球を宣言・打球。元のボールが見つかればOK、OBなら暫定球でスムーズに続行
暫定球のよくある間違い
間違い1:宣言しない
「もう1球打っておきます」や「念のためもう1球」では宣言として不十分な場合があります。「暫定球を打ちます」とはっきり言いましょう。
間違い2:暫定球を打った後の処理を間違える
暫定球が元のボールより前に行った場合
暫定球を元のボールがあると推定される場所よりも先(ホールに近い場所)からプレーした場合、元のボールは自動的に放棄されたことになります。元のボールが見つかっても、もう暫定球に切り替わっています。
間違い3:ペナルティエリアに入ったのに暫定球を打つ
ペナルティエリアに入ったことが明らかな場合は暫定球を打てません。ただし「ペナルティエリアか林の中か判断がつかない」場合は暫定球を打つことができます。
暫定球を複数打てる?
はい、打てます。暫定球を打った後、その暫定球もOBの可能性がある場合は、2球目の暫定球を宣言して打つことができます。
ただし、毎回「暫定球を打ちます」と宣言する必要があります。
プレーペースを守るための暫定球
暫定球の本来の目的はプレーペースの維持です。
暫定球を打つべき場面
- ティーショットが大きく曲がって林やブッシュ方向に行った
- セカンドショットが大きくそれてOBの可能性がある
- ボールの落下地点が見えず、見つかるか不安
迷ったら打っておく
「OBじゃないかもしれない」と思っても、少しでも不安があれば暫定球を打っておくのがベスト。見つかれば暫定球はなかったことになるので、デメリットはありません(打つ時間の数十秒だけ)。
ローカルルール:前進4打(プレイング4)
日本のゴルフ場では、OBの場合に「前進4打」(プレイング4、特設ティー)を設けているコースが多いです。
- ティーショットがOBの場合、前方の特設ティーから4打目としてプレー
- 暫定球の代わりに使用できる(コースのローカルルールとして設定)
- プレーペースの向上が目的
前進4打と暫定球の使い分け
前進4打が設定されているホールでも、暫定球を打つことは可能です。暫定球がナイスショットなら暫定球でプレー、微妙なら前進4打を使う、という判断もできます(ローカルルールの規定によります)。
まとめ
暫定球は、知っていれば使い方は簡単。でも知らないと大きな時間ロスにつながるルールです。
- OBやロストの可能性があったら暫定球を打つ
- 打つ前に必ず「暫定球を打ちます」と宣言する
- 元のボールが見つかれば暫定球は取り消し。見つからなければ暫定球でプレー
- 迷ったら打っておく。デメリットはほぼない
暫定球を適切に使えるだけで、プレーペースが格段に良くなります。同伴者にも後続の組にもやさしいゴルファーになりましょう。
参考文献・データについて
本記事のルールはR&A/USGAゴルフ規則18.3条(暫定球)に基づいています。ボール探索時間の3分制限は規則18.2a、前進4打(プレイング4)はローカルルールとして各コースが設定するものです。