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ディボット跡とベアグラウンドの打ち方:薄いライはクリーンに当てにいかない

フェアウェイのディボット跡、土がむき出しのベアグラウンド、雨上がりのぬかるみ、擦り切れた薄い芝。クッションのないライからの打ち方と番手選びをまとめました。ディボット跡に救済はあるのかという規則の話も整理しています。

ゴルスコ編集部
GOLSCO Editorial
2026年8月27日7分で読めます
#テクニック#コースマネジメント#ルール
この記事のポイント
  • ディボット跡に救済はありません。あるがままが原則で、動かせるのはローカルルールが出ているときだけ
  • ボールを右足寄り、体重は左に置いたまま、上から潰す。すくう動きだけは封印する
  • 番手はひとつ短く。低く出て転がる前提で、キャリーでピンまで届かせようとしない
  • ベアグラウンドはウェッジのバウンスが跳ねてトップになりやすい。9番やPWで転がすほうが安い

傾斜シリーズの最後に残った場所


1本目で4つの傾斜の理屈を、2本目でアドレスを作る手順と練習方法を、3本目で砂の中の傾斜を扱いました。足元が斜めになるライは、これで一通りです。

残っているのは、足元は水平なのに打ちにくいライ。ど真ん中に運んだはずのボールが、前の組のディボット跡に転がり込んでいた、あの理不尽なやつです。

薄いライには共通点があります。ボールの下にクッションがない。芝が生えていれば多少手前から入ってもソールが滑ってごまかせますが、土やえぐれた穴ではそれが利きません。打ち方の工夫より先に、狙いを一段下げる判断が要ります。

1番手短く
薄いライでの番手選び
まず当てることを優先する。距離はそのあとの話

ディボット跡からの打ち方


先に諦めることを決めます。ディボット跡から、普段と同じ高さの球は出ません。穴の底にあるボールをきれいに拾うのは、プロでも確率の勝負だそうです。私の場合、3回に1回はトップして低いライナーになります。

やることは、上から潰して低い球を出す。それだけです。

1

ボールを右足寄りに置いてハンドファーストを強める

普段より握りこぶし1つ分ほど右へ。手はボールより前に出したまま構えます。フェースのロフトが立つので、球は低く出ます。

2

体重を左足に残して、最後まで戻さない

上げようとした瞬間にダフるかトップします。左足に乗せたまま、上から入れる。フォローは低く。

3

番手をひとつ短くして、8割で振る

低い球はよく転がります。7番の距離なら8番。フルスイングで穴の底を狙うほど怖いことはありません。

穴の深さで狙いを変える

目土が入って浅くなっている跡なら、ボールを少し右に置くだけでほぼ普段どおり打てます。砂だけ盛られて柔らかい跡は、感覚がバンカー寄りになります。目土なしで深くえぐれている跡は、グリーンを狙う場所ではありません。花道方向へ運んで、次で寄せる計算に切り替えてください。

ボールを右に置いた分、スピンも減ります。キャリーは短くなるのにランは伸びるので、いつもの距離感はあてになりません。読み違えてショートしても、グリーン手前に残るだけです。外し方としては安いほうを選んでおきます。

深いディボットからフェアウェイウッドを持つのは、やめてください。ソールの広いクラブは穴に収まりません。リーディングエッジが手前の土に刺さるか、ボールの上を叩くかのどちらかです。残りが200ヤードあっても、ユーティリティか5番アイアンで前に運んだほうが結果は揃います。

ベアグラウンドと硬い地面


土がむき出しの場所。夏に踏み固められたカート道の脇、木の下、林の中の踏み跡。

ここで出るミスは、ダフリよりトップのほうが多いです。ウェッジのバウンス(ソールの出っ張り)が硬い地面で跳ね返り、リーディングエッジがボールの赤道を叩くから。柔らかい芝の上では味方をしてくれるバウンスが、ここでは完全に邪魔をします。

こうなりがち
サンドウェッジでフェースを開く → バウンスが地面で跳ねる → 刃がボールの真ん中を叩いてホームラン
おすすめ
9番かPWでフェースは開かない → 刃から入れて低く転がす → 転がる距離を引いて落とし所を決める

体重は左に置いたまま、振り幅を抑えて、少し薄めに当たるくらいでちょうどいい。丁寧にクリーンに拾おうとして入っていくと、たいてい手前の土を叩きます。

グリーンまで20ヤードくらいなら、パターも真面目な選択肢です。見た目は微妙ですが、結果はいちばんマシになります。私は硬い地面ではまずパターを考えて、無理そうなら9番に持ち替えます。

雨上がりのぬかるみ


同じ薄いライでも、雨の後は事情が変わります。地面が柔らかいのでヘッドが刺さる。ディボット跡と同じつもりで鋭角に打ち込むと、ボールの手前でクラブが止まります。

雨の日はボールを右に置きすぎない。振り幅をひとつ小さくして、ヘッドスピードより当たりの正確さを取る。それと、泥が付いた球はまっすぐ飛びません。曲がる方向はどう読んでも当たらないので、狙いはグリーンの真ん中一択です。

規則の面では、雨の日のほうが救済は手厚くなります。

  • 水たまり(一時的な水)に球が入ったら無罰で救済されます(規則16.1)。ニアレストポイントから1クラブレングス以内、ホールに近づかない場所にドロップ。
  • 自分のショットで作ったピッチマークに球がくい込んだ場合も無罰です(規則16.3)。ジェネラルエリアならフェアウェイでもラフでも受けられます。くい込んだ箇所のすぐ後ろを基点に、1クラブレングス以内へドロップします。

ただの泥やぬかるみは対象外です。目安は水が見えるかどうか。スタンスを取ったときに足元へ水が滲み出てくるなら一時的な水として扱われますが、強く踏みつけて無理やり出した水は数えません。

スタート前に掲示を見る

コース状態が悪い時期は、6インチプレース(プリファードライ)が出ていることがあります。出ていれば球を拾い上げて拭き、決められた範囲内(多くは6インチ、コースによっては1クラブレングス)にプレースできます。出ていないのに拾い上げて別の場所から打てば、誤所からのプレーで、ストロークプレーなら2罰打です。スタート室の掲示か、スコアカードの裏に書いてあります。

薄い芝のフェアウェイ


冬に休眠した高麗芝や、カートの通り道で擦り切れたところ。土がむき出しではないのに、ボールが地面にべったり座っています。芝が薄いと、手前から入ったソールが滑ってくれません。

打ち方はここまでと同じでかまいません。変えるのはクラブのほうです。冬に3番ウッドでトップを繰り返しているなら、スイングを直す前にユーティリティへ持ち替えてください。ヘッドが小ぶりなぶん、地面との接触が浅くて済みます。張り付いた球を大きなソールで拾おうとするところが、そもそも分の悪い賭けです。

救済があるライ、ないライ


状況救済処置
ディボット跡
なし
あるがまま。打てなければアンプレヤブルで1罰打
目土が入った跡
なし
同じくあるがまま。砂の量で難易度が変わるだけ
水たまり(一時的な水)
無罰
ニアレストポイントから1クラブレングス以内にドロップ(規則16.1)
自分の球がくい込んだ跡
無罰
くい込んだ箇所のすぐ後ろから1クラブレングス以内(規則16.3)
修理地(青杭や白線で囲われた区画)
無罰
規則16.1。ディボット跡は原則として含まれない

くい込んだ球の救済は、自分の直前のショットで作ったピッチマークが対象です。他人が作ったディボット跡に球がすっぽり収まっていても、そこには当てはまりません。ここを勘違いして無罰で動かしている人は、そこそこ見かけます。

ディボット跡が救済されない理由として、R&AとUSGAは線引きの難しさを挙げているそうです。ディボット跡はコースじゅうにあって、どこからを穴と呼ぶか決められない。修理地扱いを始めると、フェアウェイの相当な面積が救済対象になってしまう。理屈は分かりますが、ど真ん中のナイスショットが穴に落ちた日はやっぱり納得いきません。

コース側が荒れた区画を白線で囲み、修理地に指定していることはあります。線の内側に球があれば無罰で救済を受けられます。判断の基準は白線の内か外かで、跡の深さではありません。

まとめ


薄いライで一番まずいのは、いつもと同じ球を打とうとすることです。ボールを右、体重は左、番手をひとつ短く、低く出して転がす。ここまで決めてから構えれば、ディボット跡もベアグラウンドもダブルボギーの入り口にはなりません。

不運なライがスコアにどれくらい効いているかは、記憶では分かりません。記録を続けていくと、原因だと思っていた場所と、実際に打数を落としている場所がズレていた、と気づくこともあります。

参考文献・データについて


本記事のルールに関する記述は、R&AとUSGAによる2023年改訂のゴルフ規則(規則16.1、16.3、19ほか)とその解説に基づいています。6インチプレースなどのローカルルールは有無も内容もコースごとに違うため、プレー前に掲示やスコアカードの記載を確認してください。打ち方の解説は一般的なゴルフコーチングの知見によるもので、芝質や地面の硬さによって結果は変わります。


ゴルスコ編集部

ゴルフスコア分析アプリ「ゴルスコ」の編集部です。データとスタッツに基づいたゴルフ上達のヒントをお届けします。

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