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ゴルフのラフからの打ち方:沈み方で変える構えと、フェースが返る理屈

ラフからのショットを打ち方に絞って解説。フェースが左を向く仕組み、飛ばない理屈と飛びすぎる理屈、ロフトを立てない番手選択、8月の深い夏ラフへの対処まで。ボールの沈み方の3段階別に構えと振り方をまとめました。

ゴルスコ編集部
GOLSCO Editorial
2026年8月22日6分で読めます
#ラフ#打ち方#夏ゴルフ
この記事のポイント
  • 見るのはボールの沈み方だけ。赤道まで見えれば普段どおり、半分沈んだら構えを変える、すっぽり隠れたらウェッジで脱出
  • 引っかけが出るのは芝がクラブの首に絡んでフェースを閉じるから。左手を強めに握り、フェースを開いて相殺する
  • 距離を稼ごうとロフトの立った番手に持ち替えない。ロフトこそ脱出の道具
  • 8月のラフは一年で最も手強い。春秋の感覚より判断を1段階厳しめに

ラフで出るミスの正体


ラフからのミスは、だいたい2つに決まっています。左への引っかけと、芝に食われて数十ヤードしか進まないチョロ。どちらも、芝がクラブに何をするかを知らないまま、フェアウェイと同じ感覚で打った結果です。

どこを狙って何番を持つかという判断の話は、ラフからの脱出術にまとめました。この記事は姉妹編として、どう構えてどう振るかの技術に絞ります。見極めの物差しはひとつだけ。ボールがどれだけ沈んでいるかです。赤道(ボールの真横のライン)まで見える、半分沈んでいる、すっぽり隠れている。この3段階で構えも振り方も変わります。

フェースが返る理屈


ラフから打つと引っかけが出るのは、スイングの悪癖のせいではありません。犯人は芝です。

インパクトの直前、伸びた芝はクラブヘッドの首、ネックのあたりに絡みつきます。ブレーキが首だけにかかると、フェースの先端側は減速せずに前へ走る。結果、フェースがくるっと左を向いてボールを包み込みます。これがフェースが返ると呼ばれる現象で、腕力で止められる速さでは起きません。だから対策はぜんぶ、構えの段階で済ませておきます。

やることは2つ。左手のグリップをいつもより強めに握ること、フェースをほんの少し開いて構えることです。閉じる力がかかる前提で、あらかじめ逆向きの保険をかけておく。ラフが深いほど保険も厚くします。

飛ばない理屈と飛びすぎる理屈


ラフの厄介なところは、飛ばなくなる話と飛びすぎる話が同居している点です。

沈んだボールを打つ場合、ヘッドはボールに届く前に何本もの芝を巻き込みます。濡れたタオルを巻いたバットで打つようなもので、ヘッドは減速し、同じ振りでも1〜2番手分飛ばない。8月の深いラフなら半分も飛ばないことがあります。

浅いラフは逆です。フェースとボールの間に芝が薄く挟まってスピンが減り、失速しないボールが前へ前へと伸びていく。いわゆるフライヤーで、7番から9番アイアンで出やすい。番手どおりのつもりが、グリーン奥のバンカーまで届いてしまうやつです。

つまり浅ければ飛びすぎを警戒して手前から、沈んでいたら飛ばない前提で欲を捨てる。同じラフでも補正の向きが逆になります。

赤道
グリーンを狙っていい沈み方の限界
ボールの真横のラインが見えないなら、狙いはフェアウェイに切り替える

番手選択の基準


沈んだラフで距離が足りないからと、6番や5番に持ち替える。これが一番やってはいけない選択です。ロフトの立ったクラブは芝の抵抗を長く受けるうえ、ボールを上に運ぶ角度がない。芝に負けてチョロか、出ても低いライナーでまた次のラフへ。

考え方は逆で、ロフトこそ脱出の道具です。ロフトの大きいクラブほど鋭角に入れてもボールが浮くので、芝に絡まれる時間が短くて済む。足りない距離はロフトではなく、狙う場所を手前に変えて解決してください。

ボールの状態番手の上限要点
赤道まで見える
ほぼ制限なし
フライヤー分だけ手前を狙う
半分沈む
8番アイアン
ボール右寄り、コンパクトに上から
すっぽり隠れる
ウェッジのみ
フェースを開いて鋭角に振り下ろす

沈み方別の構えと振り方


赤道まで見える浅いラフ

正直、ここは大したことありません。普段どおり打てます。変えるのはひとつ、フライヤーを見込んでターゲットを手前に置くことだけ。ピンが奥なら1番手落とします。

半分沈んだラフ

ここから構えを変えます。

  • ボール位置は普段よりボール1個分右
  • 左手を強めに握って、軽くハンドファースト
  • フェースはわずかに開く
  • トップをコンパクトにして、上から鋭角に下ろす

払い打ちは禁物です。ヘッドが芝の中を長く移動するほど絡まれるので、上から入れて接触時間を短くする。番手でロフトを立てない代わりに、入射角は上からきつく、という役割分担です。飛距離は2番手分落ちる前提で計算して、届くかどうか微妙な距離なら、届かない方に賭けたほうがだいたい正解です。

すっぽり隠れた深いラフ

1

ウェッジを持ち、フェースを開く

SW(サンドウェッジ)かAW(アプローチウェッジ)だけ。フェースを開くのは、ボールを上げるためと、芝に閉じられる分をあらかじめ相殺するためです。

2

ボールを右足寄りに置き、左足に体重を乗せる

鋭角に入れる準備です。ハンドファーストに構えると、自然にヘッドが上から入る軌道になります。

3

縦に上げて、芝ごと刻む

フォローは取れなくて構いません。ボールの手前の芝ごと、上からたたき切るイメージで振り抜きます。中途半端な力加減では芝に負けて終わります。

素振りはボールから離れて

ボールのすぐそばで芝の抵抗を確かめると、ライの改善とみなされて罰がつくおそれがあります。同じくらいの深さの芝を、1〜2歩離れた場所で試してください。

8月のラフという別物


日本のコースのラフは高麗芝や野芝が多く、梅雨明けから勢いがついて8月に伸びのピークを迎えます。春に半分沈む程度だったラフと、8月の同じ見た目のラフは別物です。一本一本が太く、水分を含んで重い。

だから夏は判断を1段階厳しめにします。半分沈んでいたら深いラフ扱いで8番をやめてウェッジ、すっぽりなら真横に出すのも立派な選択です。春の感覚で6番を握って返り討ちに遭った人を、私は何人も見ました。ついでに言うと、8月は打つ側の体力も削られます。暑さの備えは夏ゴルフの暑さ対策を読んでおいてください。

脱出優先の線引き


最後に、この記事でいちばん言いたい基準を。赤道が見えなければグリーンは狙わない。私はこの線を引いてから、ラフ絡みの大叩きが目に見えて減りました。

深いラフからナイスショットで乗った記憶は、誰にでも1回くらいあります。問題は、その1回の裏で何回チョロしたか。成功だけが記憶に残るぶん、失敗の数はいつも過少申告されます。線を決めて機械的に従うほうが、トータルのスコアでは勝ちます。

ラフの技術は、構えの時点で9割決まります。左手を強く、フェースを開き、上から短く。スイング中にできる工夫はほとんどないので、ボールの前で沈み方を見て、構えを決めたら、あとは迷わず振るだけです。

参考文献・データについて


本記事の打ち方の解説は、一般的なゴルフコーチングの知見に基づいています。ラフの状態はコースや季節、芝の種類で大きく変わるため、番手の目安は現場の状況に合わせて調整してください。


ゴルスコ編集部

ゴルフスコア分析アプリ「ゴルスコ」の編集部です。データとスタッツに基づいたゴルフ上達のヒントをお届けします。

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