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ラフからの脱出術:深さ別の最適クラブ選択

ラフからのショットを深さ別に解説。浅いラフ・中程度のラフ・深いラフそれぞれの最適なクラブ選択と打ち方を紹介します。

ゴルスコ編集部
GOLSCO Editorial
2026年5月5日10分で読めます
#ラフ#脱出
この記事のポイント
  • ラフの深さによって使うクラブと打ち方が大きく変わる
  • 浅いラフ(ボールが半分以上見える)なら通常に近いショットが可能
  • 深いラフ(ボールが沈んでいる)はまず脱出を優先。欲張らない
  • ラフから150ヤード以上残ったら、狙い先をピンから花道へ下げる。8割はグリーン手前に外れる
  • ラフで最も多いミスは「距離を欲張ってクラブ選択を間違える」こと

ラフに入った瞬間、何を考えるか


ティーショットがフェアウェイを外れてラフへ。「やばい」と思いながらボールのところに行くと、芝に埋まっている......。

ラフからのショットが苦手な人は多いのですが、原因の多くは技術ではなく判断にあります。ラフの状態を正しく見極めて、適切なクラブを選ぶ。それだけで、ラフからでもスコアを崩さずに済みます。

扱うのは、どこを狙って何番を持つかという判断のほうです。構えや振り方そのものは、ここでは深追いしません。

まずラフの「深さ」を見極める


ラフからのショットで最初にやるべきことは、ボールの状態の確認です。ラフの深さは3段階に分けて考えます。

  • 浅いラフ(ボールの半分以上が見える): セミラフやファーストカットとも呼ばれる状態。フェアウェイからのショットに近い対応が可能
  • 中程度のラフ(ボールの上部だけ見える): クラブの選択と打ち方に工夫が必要
  • 深いラフ(ボールがほぼ見えない): 脱出が最優先。距離を欲張ると大怪我する

浅いラフからのショット


ボールの半分以上が見える浅いラフなら、フェアウェイからのショットに近い打ち方ができます。

クラブ選択

  • ほぼ通常通りのクラブでOK
  • ただしフライヤー(ボールとフェースの間に芝が挟まり、スピンが減って飛びすぎる現象)に注意
  • 長い番手(5番以下)もそこそこ使える

打ち方のポイント

  • 通常のスイングでOK
  • ボールをやや右寄りに置くと、クリーンにヒットしやすい
  • フライヤーを考慮して、ターゲットの手前に着地する計算で
フライヤーとは?

ラフからのショットでボールとフェースの間に芝が挟まると、バックスピンが減少します。結果、ボールが通常より飛びすぎ、グリーンで止まりにくくなる。特に7〜9番アイアンで顕著。浅いラフでも起こるので注意が必要です。

中程度のラフからのショット


ボールの上部だけ見える状態。ここからが「ラフらしいラフ」です。

クラブ選択

  • ロングアイアン(5番以下)は避ける。芝の抵抗に負けてヘッドが回る
  • 7番〜9番アイアンが現実的な選択
  • ユーティリティやFWウッドは芝に潜りやすく、避けた方が無難
  • 残り距離が長い場合は、2回に分けてフェアウェイに戻す判断も

打ち方のポイント

  • ボール位置をやや右寄りに
  • ハンドファーストを強めに
  • 上から鋭角にクラブを入れる(ダウンブロー意識)
  • 芝の抵抗でフェースが左を向くので、やや右を狙う
こうなりがち
深いラフから無理に5番アイアンでグリーンを狙う → 芝に負けて100ヤードしか飛ばない
おすすめ
9番アイアンでフェアウェイに出す → 残り100ヤードをピンに打てる → ボギーで収まる
フェアウェイ復帰
中程度〜深いラフからの最優先目標
距離よりも次のショットを打ちやすい場所に出す

深いラフからのショット


ボールがほぼ見えない深いラフ。ここからは脱出が唯一の目標です。

クラブ選択

  • SW(サンドウェッジ)またはAW(アプローチウェッジ)一択
  • ロフトが大きいクラブほど芝の抵抗に負けにくい
  • 「とりあえず前に出す」と割り切る

打ち方のポイント

  • フェースをやや開く(芝に負けてフェースが閉じるのを相殺)
  • 急角度にクラブを上げて、上から叩く
  • 力強く振り抜く。芝の抵抗が大きいのでしっかり振ること
  • ボールは右足寄り
1

ボールの状態を確認

ボールがどのくらい沈んでいるか、芝の方向(順目か逆目か)を確認。

2

脱出ルートを決める

「フェアウェイに出す」「グリーン方向に少しでも近づける」などの目標を設定。グリーンは狙わない。

3

SWを選んで思い切り振る

中途半端なスイングが一番危険。芝の抵抗に負けて全く飛ばなくなる。しっかり振り抜くこと。

深いラフからの「英雄ショット」は禁物

深いラフから200ヤード先のグリーンを狙う。これは「英雄ショット」と呼ばれ、結果は悲惨になることがほとんど。脱出に1打使って、次にフェアウェイから打つ方がトータルスコアは良くなります。

ラフに関する戦略的な考え方


1

ラフの「順目」と「逆目」

芝がターゲット方向に倒れている「順目」は比較的打ちやすい。逆に芝がターゲットと逆方向に倒れている「逆目」は抵抗が大きく、飛距離がかなり落ちます。

順目か逆目かは、芝の光沢で判断できます。芝が光って見えるのが順目、暗く見えるのが逆目。

2

夏と冬でラフの難易度は変わる

夏場は芝が伸びてラフが深くなり、粘りも強くなる。冬場は芝が枯れてラフが浅く、抵抗も小さい。季節に応じた判断も重要です。

3

「ラフに入れない」のが最善の戦略

当たり前ですが、ラフに入れないことが最善。ティーショットでドライバーにこだわらず、フェアウェイに置けるクラブを選ぶのも立派な戦略。

実際の画面ゴルスコでは、この内容を「ショートゲーム分析」の画面で見られます。

パーオンを外したあとにパーで拾えた割合(スクランブル率)が出ます(サンプルデータ)
パーオンを外したあとにパーで拾えた割合(スクランブル率)が出ます(サンプルデータ)この画面をデモで触る

狙う距離と、諦める距離


深さで番手を絞ったら、次は残り距離を見ます。ここを飛ばすと、正しい番手で無謀な距離を狙うことになります。

Shot Scopeがアマチュアのショットを集めたデータでは、ラフから150〜210ヤードを打ったとき、81%がグリーン手前に外れています。4.5メートル以内に寄るのは2.4%。届かないのが普通、という距離帯です。ただ、フェアウェイからでも73%はショートしているので、ラフのせいだけではありません。この距離そのものが、アマチュアには遠い。

50〜150ヤードだと話が変わります。ラフからホールアウトまで平均3.6打、フェアウェイからは3.46打。差は0.14打です。この距離帯のラフは、そこまで身構える場所ではないです。

150y
ラフからグリーンを狙う上限の目安
これを超えると8割はグリーン手前。狙い先をピンから花道(グリーン手前の刈り込まれた進入路)へ下げる

番手を補正してから決める

線の引き方は単純です。残り距離に、ラフのぶんの補正を足す。中程度のラフなら1〜2番手、10〜20ヤードくらいでしょうか。残り150ヤードで普段7番の人なら、実質170ヤード。手が伸びるのは5番アイアンあたりです。

そこで一度止まって、その5番アイアンがフェアウェイからでも何回に1回乗るかを思い出してください。クラブ別パーオン率分析で見たとおり、多くのアマチュアは150ヤードを境にパーオン率が急落します。10回に1〜2回のクラブなら、ラフからはさらに下がる。補正後の番手が自分の苦手な帯に入った時点で、グリーンは諦めどきです。

諦めるといっても、刻めという話ではありません。数字を並べると、170ヤードのラフから直接打ってホールアウトまで残り4.1打。100ヤードまで刻む場合は、その1打に3.46打が続いて4.46打。平均だけ見れば、刻んだほうが損をします。刻みが効くのは、深いラフや林、池が視界に入っているとき。それと、補正後の番手が芝に負ける長さになったときです。中程度のラフから5番アイアンを振り回すくらいなら、9番でフェアウェイに戻したほうが速い。

ボールが浮いていて、その番手を普通に振れるなら、狙い先だけ手前にずらすのが正解です。ピンを見ないで、花道の平らなところに運ぶ。乗ればもうけ、外しても寄せワンのチャンスは残ります。私はこの狙い方に変えてから、ラフ絡みのトリプルボギーがほとんど消えました。

ここまではボールが沈んでいないラフの話です。すっぽり隠れているなら、距離の計算より先に脱出してください。

外す側を先に決める

さっき、ラフに入れないのが最善だと書きました。ただ、フェアウェイキープ率はそもそも上げにくい指標です。PGAツアーの平均でも61%前後、平均スコア90台(HC20)のゴルファーでは、Shot Scopeの計測で41%。プロが4割外すものを、ゼロにする前提で作戦は組めません。

守るべきは深いラフのほうです。Par4の平均スコアで比べると、フェアウェイ4.6打に対してラフ5.0打。深いラフや林に入ると5.6打まで伸びます(FIR(フェアウェイキープ率)の目標値と改善法で扱った数値)。ラフに外した代償は0.4打、深いラフだと1.0打。線を引くならここです。

やることはひとつ。ティーイングエリアで、外すならどちら側かを先に決めておく。ラフの刈り方が左右で違うホールは多くて、林が迫っている側はファーストカットが狭く、開けている側は浅い帯が広く取ってあります。前のホールを歩きながら見ておけば、ティーで迷いません。

グリーンを狙うショットも同じで、外すなら手前です。奥のラフは、下りのアプローチと深い芝がまとめて来ます。

コースの刈り分けは意外と読める

同じコースを何度か回るなら、どのホールのどちら側が深いかをメモしておくと効きます。ラフの深さは季節で変わりますが、刈り分けの形はそう変わりません。

ラフの深さ別:判断チャート


迷った時はこのチャートで判断しましょう。

  • 浅いラフ → 通常に近いクラブ選択。フライヤー注意。グリーンを狙える
  • 中程度のラフ → 短い番手(7番以上)で。距離があればフェアウェイに出す判断も
  • 深いラフ → SW/AWで脱出一択。次のショットで勝負する

実際のラウンドではラフと傾斜が重なる場面も多いので、傾斜地からの4パターンの打ち方もセットで押さえておくと判断に迷いません。

まとめ


ラフからのショットは判断が9割です。まずボールの沈み具合で浅い・中程度・深いの3段階を見極める。深いほど短い番手、つまりロフトの大きいクラブを選び、深いラフなら脱出最優先。浅いラフでは、フライヤーで飛びすぎることだけ頭に入れておきます。そこに残り距離を重ねます。150ヤードより遠ければ、狙い先はピンから花道へ。

1打で取り返そうとせず、2打でどうリカバリーするか。冷静な判断ができれば、ラフに入ってもスコアは守れます。高低差のあるホールでも同じように判断が肝心なので、打ち下ろしホールの距離補正とマネジメントもあわせて読んでみてください。

参考文献・データについて


本記事のクラブ選択の目安やラフの深さの分類は、一般的なゴルフコーチングの知見に基づいています。距離帯別のショット結果、ティーショットの結果別Par4平均スコア、フェアウェイキープ率の数値は、Shot Scopeの公開データを参照しました。ラフの状態はコースや季節、天候により大きく異なるため、実際の判断は現場の状況に応じて行ってください。

  1. Shot Scope「Is there such a thing as a good miss?」 shotscope.com
  2. Shot Scope「Analysing Driving Accuracy」 shotscope.com

ゴルスコ編集部

ゴルフスコア分析アプリ「ゴルスコ」の編集部です。データとスタッツに基づいたゴルフ上達のヒントをお届けします。

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