- ラフの深さによって使うクラブと打ち方が大きく変わる
- 浅いラフ(ボールが半分以上見える)なら通常に近いショットが可能
- 深いラフ(ボールが沈んでいる)はまず脱出を優先。欲張らない
- ラフで最も多いミスは「距離を欲張ってクラブ選択を間違える」こと
ラフに入った瞬間、パニックになっていませんか?
ティーショットがフェアウェイを外れてラフへ。「やばい」と思いながらボールのところに行くと、芝に埋まっている......。
ラフからのショットが苦手な人は多いですが、その原因の多くは技術ではなく判断にあります。ラフの状態を正しく見極めて、適切なクラブを選べば、ラフからでもスコアを崩さずに済みます。
まずラフの「深さ」を見極める
ラフからのショットで最初にやるべきことは、ボールの状態を確認すること。ラフの深さを3段階に分けて考えましょう。
浅いラフ(ボールの半分以上が見える)
セミラフやファーストカットとも呼ばれる。ボールの大部分が見えている状態。フェアウェイからのショットに近い対応が可能。
中程度のラフ(ボールの上部だけ見える)
ボールの上半分くらいが見えている状態。クラブの選択と打ち方に工夫が必要。
深いラフ(ボールがほぼ見えない)
ボールがすっぽり芝に沈んでいる状態。脱出が最優先。距離を欲張ると大怪我する。
浅いラフからのショット
ボールの半分以上が見える浅いラフなら、フェアウェイからのショットに近い打ち方ができます。
クラブ選択
- ほぼ通常通りのクラブでOK
- ただしフライヤー(ボールとフェースの間に芝が挟まり、スピンが減って飛びすぎる現象)に注意
- 長い番手(5番以上)もそこそこ使える
打ち方のポイント
- 通常のスイングでOK
- ボールをやや右寄りに置くと、クリーンにヒットしやすい
- フライヤーを考慮して、ターゲットの手前に着地する計算で
ラフからのショットでボールとフェースの間に芝が挟まると、バックスピンが減少します。結果、ボールが通常より飛びすぎ、グリーンで止まりにくくなる。特に7〜9番アイアンで顕著。浅いラフでも起こるので注意が必要です。
中程度のラフからのショット
ボールの上部だけ見える状態。ここからが「ラフらしいラフ」です。
クラブ選択
- ロングアイアン(5番以下)は避ける。芝の抵抗に負けてヘッドが回る
- 7番〜9番アイアンが現実的な選択
- ユーティリティやFWウッドは芝に潜りやすく、避けた方が無難
- 残り距離が長い場合は、2回に分けてフェアウェイに戻す判断も
打ち方のポイント
- ボール位置をやや右寄りに
- ハンドファーストを強めに
- 上から鋭角にクラブを入れる(ダウンブロー意識)
- 芝の抵抗でフェースが左を向くので、やや右を狙う
深いラフからのショット
ボールがほぼ見えない深いラフ。ここからは脱出が唯一の目標です。
クラブ選択
- SW(サンドウェッジ)またはAW(アプローチウェッジ)一択
- ロフトが大きいクラブほど芝の抵抗に負けにくい
- 「とりあえず前に出す」と割り切る
打ち方のポイント
- フェースをやや開く(芝に負けてフェースが閉じるのを相殺)
- 急角度にクラブを上げて、上から叩く
- 力強く振り抜く。芝の抵抗が大きいのでしっかり振ること
- ボールは右足寄り
ボールの状態を確認
ボールがどのくらい沈んでいるか、芝の方向(順目か逆目か)を確認。
脱出ルートを決める
「フェアウェイに出す」「グリーン方向に少しでも近づける」などの目標を設定。グリーンは狙わない。
SWを選んで思い切り振る
中途半端なスイングが一番危険。芝の抵抗に負けて全く飛ばなくなる。しっかり振り抜くこと。
深いラフから200ヤード先のグリーンを狙う。これは「英雄ショット」と呼ばれ、結果は悲惨になることがほとんど。脱出に1打使って、次にフェアウェイから打つ方がトータルスコアは良くなります。
ラフに関する戦略的な考え方
ラフの「順目」と「逆目」
芝がターゲット方向に倒れている「順目」は比較的打ちやすい。逆に芝がターゲットと逆方向に倒れている「逆目」は抵抗が大きく、飛距離がかなり落ちます。
順目か逆目かは、芝の光沢で判断できます。芝が光って見えるのが順目、暗く見えるのが逆目。
夏と冬でラフの難易度は変わる
夏場は芝が伸びてラフが深くなり、粘りも強くなる。冬場は芝が枯れてラフが浅く、抵抗も小さい。季節に応じた判断も重要です。
「ラフに入れない」のが最善の戦略
当たり前ですが、ラフに入れないことが最善。ティーショットでドライバーにこだわらず、フェアウェイに置けるクラブを選ぶのも立派な戦略。
ラフの深さ別:判断チャート
迷った時はこのチャートで判断しましょう。
浅いラフ → 通常に近いクラブ選択。フライヤー注意。グリーンを狙える 中程度のラフ → 短い番手(7番以上)で。距離があればフェアウェイに出す判断も 深いラフ → SW/AWで脱出一択。次のショットで勝負する
まとめ
ラフからのショットは「判断力」が9割。
- まずラフの深さを見極める -- 浅い・中程度・深いの3段階
- 深いラフは脱出最優先 -- 欲張りがスコアを壊す最大の原因
- クラブ選択を間違えない -- 深いほど短い番手(ロフトの大きいクラブ)を
- フライヤーに注意 -- 浅いラフでもスピンが減って飛びすぎることがある
- 2打で考える -- 1打で取り返そうとせず、2打でどうリカバリーするかを考える
ラフからのミスの多くは、技術不足ではなく判断ミス。冷静な判断ができれば、ラフに入ってもスコアは守れます。
参考文献・データについて
本記事のクラブ選択の目安やラフの深さの分類は、一般的なゴルフコーチングの知見に基づいています。ラフの状態はコースや季節、天候により大きく異なるため、実際の判断は現場の状況に応じて行ってください。
関連記事
プレショットルーティン完全ガイド:再現性を高める
プレショットルーティンの作り方と実践方法を完全ガイド。ショットの再現性を高め、メンタルを安定させるルーティンの構築法を解説します。
ショートゲーム完全ガイド:スコアの6割を決める技術
ショートゲーム(アプローチ・パッティング・バンカー)の完全攻略ガイド。スコアの60%以上を占めるショートゲームを体系的に解説し、最短でスコア改善を実現します。
フェアウェイバンカーからの打ち方:クリーンヒットのコツ
フェアウェイバンカーからのショットを解説。グリーン周りバンカーとは全く違う打ち方が必要なフェアウェイバンカーの攻略法を紹介します。
フェードとドローの基本:意図的に曲げる技術
フェードボールとドローボールの打ち方を基本から解説。意図的にボールを曲げることで、コース攻略の幅が広がります。
グリーン周りバンカーの基本:恐怖心を克服する
グリーン周りバンカーショットの基本を徹底解説。恐怖心の原因を理解し、正しい打ち方と練習法で「バンカーが怖い」を克服しましょう。
パンチショット(低い球)の打ち方と使いどころ
パンチショット(低い球)の打ち方を解説。風が強い日、林からの脱出、木の下を通す場面で使える実践的な技術とコツを紹介します。