- ゴルフのルールブックは膨大だが、実際にラウンドで頻出するのは20個程度
- 「OB」「ペナルティエリア」「アンプレヤブル」「ドロップ方法」を覚えれば大半の状況に対応できる
- 2019年のルール大改正で多くのルールが簡略化されている
- 迷ったら同伴者に聞く、暫定球を打つ、の2つで大抵は対処可能
ルールを知らないと損をする
ルールを知らないせいで余計な罰打を受ける。逆に、使えるはずの救済を使わずに不利な場所から打つ。どちらもスコアに直結する損です。
とはいえゴルフ規則は膨大で、すべて覚えるのは現実的ではありません。そこで、ラウンドで本当に使う頻度の高いルールを20個に厳選しました。
ティーイングエリアのルール
ティーアップの位置
ティーマーカーの間の、後方2クラブレングス以内がティーイングエリア。この範囲外でティーアップすると2打罰。意外と知らない人が多い。
ティーショットの打ち直し(空振り)
空振りは1打としてカウントされますが、ペナルティはありません。ティーから落ちたボールをティーアップし直すのはOK(まだティーショットを打っていない場合)。
暫定球
ボールがOBかもしれない、またはペナルティエリア以外で紛失したかもしれない場合、暫定球を宣言してから打つことができます。元のボールが見つかればそちらでプレー、見つからなければ暫定球でプレー続行。これを打たずに探しに行くと、見つからなかった場合にティーイングエリアに戻る必要があり、大幅な時間ロスに。
「念のためもう1球打ちます」と同伴者に伝えてから打ってください。宣言なしに打つと、その球がインプレーのボールになってしまう場合があります。
OBとペナルティエリアのルール
OB(アウト・オブ・バウンズ)
白杭や白線で示された区域の外にボールが出た場合。1打罰で、最後に打った場所から打ち直し(ストロークと距離の罰)。
コースによっては「前進4打(プレーイング4)」のローカルルールを設定していることも。これは前方の特設ティーから4打目として打てるルールで、プレー進行を速めるために使われます。
ペナルティエリア(赤杭・黄杭)
赤杭または赤線で囲まれたエリア(レッドペナルティエリア)と、黄杭または黄線で囲まれたエリア(イエローペナルティエリア)があります。
共通の選択肢(1打罰)
- ペナルティエリアに最後に入った地点とカップを結んだ後方線上にドロップ
- 最後に打った場所から打ち直し
赤杭のみの追加選択肢(1打罰)
- ペナルティエリアに最後に入った地点から2クラブレングス以内にドロップ(ホールに近づかない)
ペナルティエリア内でそのまま打つ
池の中でもボールが打てる状態なら、罰なしでそのまま打つことも可能です。ただし、ソールすると罰になるので注意。水の中のボールを打つのは技術的にかなり難しいので、初心者は素直にドロップしましょう。
ドロップのルール
ドロップの方法
2019年のルール改正で、膝の高さからドロップに変更されました(以前は肩の高さ)。腕を伸ばし、膝の高さからボールを落とします。
ドロップしたボールが転がった場合
ドロップしたボールが救済エリアの外に転がり出た場合、もう一度ドロップ。2回目も転がり出たら、2回目にボールが最初に地面に落ちた地点にプレース(手で置く)します。
球の紛失とアンプレヤブル
ロストボール(紛失球)
ボールを探し始めてから3分以内に見つからなければ紛失球。最後に打った場所から1打罰で打ち直しです。
アンプレヤブル
木の根元や茂みの中など、打てない(打ちたくない)状況で宣言できます。1打罰で以下の3つの選択肢。
- 最後に打った場所から打ち直し
- ボールの位置とカップを結んだ後方線上にドロップ
- ボールの位置から2クラブレングス以内にドロップ(ホールに近づかない)
どんな場所でもアンプレヤブルを宣言できます(バンカー内は追加の制限あり)。打てるかどうかの判断に迷ったら、無理に打つより1打罰でアンプレヤブルにする方がスコアの傷は浅い場合が多いです。
バンカーのルール
バンカー内での禁止事項
- 砂に触れてからスイングしてはいけない(バックスイングの前にクラブを砂につけるのはNG)
- 砂のコンディションをテストしてはいけない(手で砂を触るなど)
- ルースインペディメント(小石や葉)は取り除ける(2019年改正で可能に)
バンカーからのアンプレヤブル
バンカー内でアンプレヤブルを宣言する場合、バンカー内にドロップするのが基本(1打罰)。バンカーの外にドロップしたい場合は2打罰になります。
グリーン上のルール
ボールのマークと拾い上げ
グリーン上ではボールの位置をマーカーで示して拾い上げることができます。マーカーはボールの真後ろ(カップと反対側)に置きます。
パッティングラインの修復
グリーン上のボールマーク(ボールの着地跡)やスパイク跡は修復できます。2019年の改正で、スパイク跡も修復OKになりました。ただし自然の凹凸(グリーンのうねり)を直してはいけません。
旗竿を差したままパット
2019年の改正で、旗竿を差したままパットしてOKになりました。抜いても差したままでも、どちらでもペナルティなし。プレー進行が速くなるので、差したままが主流になっています。
グリーン上でボールが動いた
パッティングの際にボールがわずかに動いた場合。風や自然の力で動いた場合は罰なしで、動いた位置からプレー。プレーヤーが原因で動いた場合は1打罰で元の位置に戻します。
救済が受けられる状況
17. カート道路からの救済
ボールがカート道路の上にある場合、罰なしで救済を受けられます。ニアレストポイント(最も近い完全な救済が受けられる地点)を決め、そこから1クラブレングス以内にドロップ。
18. 修理地からの救済
青杭や白線で囲まれた修理地(GUR: Ground Under Repair)にボールがある場合も、罰なしで救済を受けられます。ドロップ方法はカート道路と同じ。
19. 動かせない障害物からの救済
排水溝、スプリンクラーヘッド、標識など。スタンスやスイングの妨げになる場合、罰なしで救済を受けられます。
救済の手順はどのケースも共通です。
ニアレストポイントを決める
完全な救済が受けられる最も近い地点で、ホールに近づかない場所を特定します。
1クラブレングスの救済エリアを確認する
ニアレストポイントから1クラブレングス以内で、ホールに近づかない範囲が救済エリアです。
膝の高さからドロップする
救済エリア内に、膝の高さからボールをドロップします。
20. 異常なコース状態(一時的な水たまり)
雨の後などにできた一時的な水たまり(カジュアルウォーター)にボールが浸かっている、またはスタンスが水たまりにかかる場合、罰なしで救済を受けられます。
カート道路や修理地からの救済は罰なしです。知らずにそのまま打っている人が意外と多い。罰なしで楽な場所にドロップできるのに、わざわざ不利な場所から打つ必要はありません。
ルールで迷った時の対処法
ここまでの20個で大半の状況はカバーできますが、それでも判断に迷う場面は出てきます。そんなときの現実的な対処法は3つ。
まず、ルールに詳しい同伴者がいれば聞いてみること。ベテランゴルファーは大抵のルールを知っています。
正式な競技で処置に確信が持てない場合は「2球プレー」が認められています。2通りの処置でそれぞれボールを打ち、ラウンド後に裁定を受ける方法です。プライベートラウンドなら、よりスコアが悪い方を採用すれば問題ありません。
もうひとつはスマホです。R&AとUSGAの公式アプリ「Rules of Golf」では、状況を選択するとルールを案内してくれます。ラウンド前にインストールしておくと安心です。
ルールは「制限」ではなく「選択肢」と捉えると付き合い方が変わります。アンプレヤブル、救済、暫定球。適切に使えば、ルールはスコアを守る側に回ってくれます。
まとめ
最重要なのは、OB(白杭)とペナルティエリア(赤・黄杭)の区別と処置です。ここを混同しなければ、大きなトラブルはまず起きません。暫定球の宣言も忘れずに。時間の節約とスコアの保護、両方に効きます。
そのうえで、アンプレヤブルは1打罰で使える安全弁、カート道路・修理地・障害物からの無罰救済は知っているだけで得するルール、と覚えておきましょう。ドロップは膝の高さから。迷ったら同伴者に聞くか暫定球を打つ。この2つで大抵は対処できます。
参考文献・データについて
本記事のルール解説は、2023年改訂版ゴルフ規則に基づいています。
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