- 練習グリーンの目的は技術練習ではなく、その日のグリーンの速さを体に入れること
- 最優先はロングパットの距離感。10歩、5歩の順で往復する。カップは使わなくてよい
- 締めは1m前後のショートパットを数球。入れて終わり、不安を持ち帰らない
- ラインの練習とストローク改造はやらない。時間がない日は3分版で足りる
朝の練習グリーンの目的
受付を済ませて、スタートまで残り20分。打席に行くか、練習グリーンに行くか。迷ったらグリーンです。打席側の過ごし方はラウンド前の練習場ルーティンに分けてあるので、この記事はグリーンの上だけを扱います。
では、グリーンに立って何をするか。カップに向かって延々と入れる練習をしている人が多いのですが、あれは朝にやることではありません。
朝の練習グリーンの目的はひとつだけです。その日のグリーンの速さを体に入れること。グリーンの速さは日によって、コースによってまるで違います。速いグリーンで回った翌週に遅いコースへ行くと、序盤はどのパットもショートする。私はこれで午前中に3パットを3つ並べて、昼食の間ずっと言い訳を考えていたことがあります。逆に、朝の10分で速さを取り込んでおけば、その貯金は18ホールの間ずっと効きます。
練習グリーンは本コースのグリーンと速さが近くなるように整備されていると言われます。実際には差があるコースもありますが、それでも打席のマットよりはるかに本番に近い情報源です。
ロングパットの往復
最初にやるのは長い距離です。目安は10歩。グリーンの端にティーを1本刺して、そこへ向かって2〜3球打ちます。打ち終わったら、今度は反対側から打ち返す。往復すると上りと下りの両方が入るので、片道だけより情報が倍になります。10歩が済んだら5歩で同じことを繰り返します。
カップは使わなくてかまいません。むしろ使わないほうがいい。カップを狙うと、入ったかどうかに気を取られて、肝心の転がりの強さを見なくなるからです。見るのはティーの先で止まったか、手前で止まったか。それだけです。
距離をメートルではなく歩数で持つのは、コースでそのまま使えるからです。グリーンに乗ったらカップまで歩いて歩数を数える。朝に作った10歩の振り幅と照らせば、初めてのグリーンでも距離感の当たりが付きます。歩数と振り幅の対応を普段の練習で作る方法はパッティングの距離感を鍛える科学的アプローチに書きました。
締めのショートパット
距離感の確認が済んだら、最後に1m前後を数球打ちます。平らで、できれば少し上りの真っ直ぐな場所を選んで、カツンと入れて終わり。
これは技術練習というより、締めの儀式に近いものです。最後の1球が入ってからスタートへ向かうのと、外れた映像を抱えて向かうのとでは、1番ホールのグリーン上での落ち着きが変わります。
球数を増やすほど、どこかで外します。5球ほどで切り上げて、入ったら終わり。外れが続くなら距離を50cmまで詰めてでも、入れて締めてください。持ち帰る価値があるのは速さの記憶で、外した記憶ではありません。
カラーの外からの1球
余裕がある日は、カラー(グリーンを囲む少し長い芝の縁)のさらに外から、パターで1球だけ転がしてみます。目的はグリーン周りの芝の重さの確認です。朝露が残っていれば想像より止まり、乾いていれば想像より転がる。この1球が、本コースで花道からパターを使うかどうかの判断材料になります。グリーン外でパターを使う技術そのものはテキサスウェッジの打ち方にまとめてあります。
ひとつ注意を。練習グリーンへのウェッジでのアプローチ練習は、禁止しているコースが多いです。転がすならパターで。
時間がない日の3分版
朝は渋滞やら受付の行列やらで、予定した時間が残らないものです。それでも3分あれば最低限は取り込めます。
10歩を2球
グリーンの端にティーを刺して2球。1球目のずれを2球目で修正します。往復は省略。
5歩を2球
同じ要領で2球。ここまでで速さの下地はできます。
1mを2球
入れて終わります。外れたら、入るまで。
やらないこと
ラインの練習はしません。練習グリーンの傾斜は本コースの18枚のグリーンとは別物なので、朝にいくら曲がりを読み込んでも持ち越せないからです。読みは朝ではなく普段に覚える技術で、手順はグリーンの読み方の基本に譲ります。朝のグリーンから運び出せるのは速さだけ。これがこの記事の立場です。
ストローク改造もしません。スタート直前に変えたものは本番で保ちません。握りや構えが気になっても、その日はそのまま回る。直すのは次の練習日です。
よくある質問
練習グリーンが混んでいて10歩の距離が取れないときは?
空いている方向へ斜めに使えば、6歩前後は大抵確保できます。それも無理な混み具合なら、5歩の往復だけに切り替えてください。距離が半分でも速さの情報は取れます。人のラインを横切らないことにだけ気をつければ、隅のスペースで十分です。
打席と練習グリーン、どちらを優先すべきですか?
時間が足りないならグリーンです。ショットは当たりが悪くても前には進みますが、速さの分からないグリーンでは3パットが連鎖します。両方に時間を割けるなら、打席で体を起こしてからグリーンで締める順番が回りやすいです。
まとめ
朝の練習グリーンでやることは3つだけです。10歩と5歩の往復で速さを取り込む。1m前後を入れて締める。余裕があればカラーの外から1球。ラインは読まない、ストロークは直さない。3分しかない日も、この順番のまま球数を減らせば足ります。
その日の速さに合った距離感は、練習グリーンでしか手に入りません。打席で20球多く打つより、グリーンの10分のほうがスコアには直結します。
参考文献・データについて
本記事のルーティンと球数の目安は、コーチングの現場で一般に使われている考え方に基づくものです。歩数や球数は体格と持ち時間に合わせて調整してください。
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