- フレックスはL/A/R/SR/S/Xの6段階。ヘッドスピードが基本の選択基準
- 硬すぎると球が上がらず右に飛ぶ。柔らかすぎると左に引っかける
- 同じ「S」でもメーカーによって硬さが違う。試打が必須
- フレックスより「重さ」と「調子」の方がスイングへの影響が大きい
「Sシャフトを使っている」が自慢にならない理由
「俺はSシャフト」。ゴルフ仲間との会話で、ちょっとした自慢になりがちな一言です。でも、フレックスが硬い=上手い、ではありません。自分に合わないシャフトを使い続けるのは、スコアを無駄に悪化させているだけ、ということもあります。
ヘッドスピード別フレックスガイド
自分のヘッドスピードを知らないままフレックスを選んでいるなら、まずはゴルフショップで計測してください。無料で計ってもらえます。自己申告のヘッドスピードは、大体5m/s以上盛っている人が多いです。
合っていないフレックスが引き起こすミス
硬すぎるシャフトは、球が上がらず打ち出しが低くなります。スライスが出やすく、飛距離も伸びず、インパクトで手に衝撃を感じるのが特徴です。
逆に柔らかすぎると、左への引っかけ(フック)が出やすくなります。球が吹き上がり、弾道が左右にバラつき、タイミングも取りにくくなります。
迷ったときの倒し方
目安表を見て、自分がちょうど境目にいると気づいた人は多いはずです。実測40m/sぴったり、RでもSRでもいける。この状況で、硬めと柔らかめのどちらに倒すか。
柔らかめに倒してください。
硬すぎのミスは、打ち方で埋めるのがかなり難しいからです。球が上がらず飛ばないのは、シャフトがしなり切らないままインパクトを迎えている状態で、本人の努力でどうにかなる範囲を超えています。柔らかすぎで出る引っかけは、気持ちのいいミスではありませんが、タイミングの調整でまだ立て直せます。同じ外れでも傷の深さが違う。フィッターの間でも、迷ったら柔らかめと勧める人が多いようです。
もうひとつはラウンド後半の疲れです。計測値は元気な状態の数字ですが、18ホールの終盤ではヘッドスピードが落ちてきます。硬めのシャフトが牙をむくのはまさにこの時間帯。柔らかめなら疲れてきても振り切れます。
例外はひとつだけ。すでに左の引っかけが持ち球で、これ以上左を増やしたくない人は硬めでいい。それ以外は柔らかめです。柔らかいシャフト=初心者用という感覚は捨てて大丈夫です。ヘッドスピードとロフト角やボールまで含めたスペック全体の合わせ方は、ヘッドスピードとクラブスペックの関係ガイドで扱っています。
メーカー間でフレックスが統一されていない問題
ここが落とし穴です。同じ「S」でも、メーカーによって硬さが全然違います。あるメーカーのSが、別のメーカーのSRと同じ硬さ、ということも普通にあります。カタログスペックの「S」だけで判断するのは危険です。
対策はシンプルで、同じフレックス表記でも必ず打ち比べること。客観的な硬さの指標である振動数(cpm)で比較すれば、数値が高いほど硬いと分かります。より確実にいくなら、フィッティングでプロに選んでもらうのが安心です。
試打で見るポイント
ヘッドスピードは候補を探す入口です。試打では、一番飛んだ1球だけでなく、普段の振り方で打った球のまとまりを比べましょう。ミスの方向だけからシャフトの硬さが原因だと決めつけることはできません。
打席で使う比較メモ
シャフトを比べるときは、可能な範囲でヘッド・ロフト・クラブ長・ボールをそろえます。そろえられない条件も書き残してください。重量やモデルまで変わった比較は、「フレックスだけの差」にはなりません。
| 記録する項目 | 候補A | 候補B |
|---|---|---|
| シャフトのモデル・重量・フレックス | 記入 | 記入 |
| ヘッド・ロフト・クラブ長・ボール | 記入 | 記入 |
| 打った球数と各球のキャリー | 記入 | 記入 |
| 各球の左右のずれ・打点 | 記入 | 記入 |
| 球の高さ・振りやすさ | 記入 | 記入 |
計測器の結果を保存できるなら、ミスした球も含めて残します。休憩を挟んでAとBを打ち直すと、打った順番や疲れによる違いにも気づきやすくなります。
同じ40m/sでも、記録の読み方が違う例
以下は読み方を示す架空のメモです。製品の測定結果や、特定フレックスの性能を示すものではありません。
| 試打した人 | 見えた違い | 次に確認すること |
|---|---|---|
| Aさん:40m/s | 候補Aは最長の1球が出たが左右に散る。候補Bは飛距離が少し短く、打点がそろう | 候補Bでも必要な距離を確保できるか、休憩後も同じ傾向か |
| Bさん:40m/s | 候補A・Bとも左右の幅は似ているが、Bは振りにくい | 重量や長さを含めてフィッターに相談し、条件を整理して再比較 |
どちらも「40m/sだからSRで決まり」とは読みません。飛距離、散らばり、打点、振り心地を合わせて候補を絞ります。球数が少ない、結果がそろわないときは、その日の結論を保留して構いません。
Titleistのフィッティング解説でも、今のクラブの計測を出発点に、弾道と本人の感覚を確かめ、ヘッド・シャフト・重量・ライ角・長さの組み合わせを試すと説明しています。重さの違いはシャフト重量の解説、相談の準備はクラブフィッティングの流れも参考にしてください。
フレックスだけでなく「調子」にも注目
シャフトがしなるポイント(キックポイント)も、ショットに大きく影響します。
| 調子 | しなるポイント | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 先調子 | ヘッド寄り | つかまりが良い、球が高い | スライサー、ヘッドスピード遅め |
| 中調子 | 中間 | バランス良い、クセが少ない | 万人向け |
| 元調子 | グリップ寄り | 安定感、低スピン | フッカー、ヘッドスピード速め |
よくある質問
Q. ドライバーとアイアンでフレックスを変えてもいい?
問題ありません。ドライバーはS、アイアンはSRという組み合わせは珍しくない。重要なのは「振り心地の統一感」です。
Q. 年齢とともにフレックスを変えるべき?
ヘッドスピードが落ちたら柔らかめに変えるのが合理的です。50代以降はRやSRに移行する人が多い。見栄は捨てましょう。
Q. カスタムシャフトと純正シャフトの違いは?
カスタムシャフトはより細かいスペック(重量、調子、トルク)が選べます。ただし価格は高い。初中級者は純正で十分です。
まとめ
シャフトフレックスは「見栄」ではなく「データ」で選ぶもの。まずはヘッドスピードを計測し、自己申告は当てにしないこと。硬すぎればスライス、柔らかすぎればフックにつながります。
同じ「S」でもメーカーごとに硬さは違うので、必ず試打を挟みましょう。フレックスだけでなく調子(キックポイント)まで見ると精度が上がります。そして年齢や体力が変われば、柔らかめに見直す判断も必要です。
参考文献・データについて
本記事のヘッドスピード別フレックス目安は一般的なフィッティング基準に基づいています。
- Fujikura Golf「Shaft Profile Guide」 fujikuragolf.com
- グラファイトデザイン「SHAFT FINDER」 gd-inc.co.jp
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