- アップ&ダウン率は「グリーンを外して2打以内でカップインした割合」
- スクランブリング率とほぼ同義だが、計算の範囲が微妙に異なる場合がある
- HC15でアップ&ダウン率は約25〜30%、スクラッチで約50%
- 寄せの精度+2〜3メートルのパット精度の「掛け算」で決まる
「寄せワン」はどのくらいの頻度で成功しているか
グリーンを外したとき、寄せて1パットで決める「寄せワン(アップ&ダウン)」。ナイスアプローチの後にパットが入る瞬間は、ゴルフでもっとも気持ちいい場面のひとつです。
しかし、あなたの寄せワン成功率は実際にどのくらいでしょうか? 印象に残る成功体験と、実際の成功率にはたいてい大きなギャップがあります。
アップ&ダウン率の定義
アップ&ダウン率は、グリーンを外した状況から2打以内(寄せ1打+パット1打)でカップインした割合です。
アップ&ダウン率 = 寄せワン成功ホール数 ÷ グリーンを外したホール数 × 100(%)
「アップ」がグリーンに乗せる寄せショット、「ダウン」がカップに沈めるパットです。
スクランブリング率との違い
アップ&ダウン率とスクランブリング率は非常に似た指標ですが、厳密には以下の違いがあります。
| 指標 | 定義 | 対象 |
|---|---|---|
| アップ&ダウン率 | グリーンを外して2打以内でカップイン | グリーン周りからの寄せ限定 |
| スクランブリング率 | パーオンを逃してパー以上を記録 | パーオンを逃したすべてのホール |
実際の使い方としては、ほぼ同じ意味で使われることが多いです。PGAツアーではスクランブリング率として統計が公表されています。
多くのゴルフメディアや統計ツールでは、アップ&ダウン率とスクランブリング率を同義として扱っています。本質的に測っているのは「グリーンを外したときの対処力」であり、指標名にこだわるよりデータを活用することが重要です。
レベル別のアップ&ダウン率
Shot Scope・SwingUの公開データに基づく目安です。
| ハンディキャップ | アップ&ダウン率 | 寄せワン成功数/R |
|---|---|---|
| HC20 | 約15〜20% | 約2〜3回 |
| HC15 | 約25〜30% | 約3〜4回 |
| HC10 | 約30〜35% | 約3〜4回 |
| スクラッチ | 約50% | 約5〜6回 |
| PGAツアー | 約58% | 約4〜5回 |
PGAツアーの値が高いにもかかわらず成功数が少ないのは、プロのGIRが高くグリーンを外す回数自体が少ないためです。
アップ&ダウンの成功を分解する
アップ&ダウンは「寄せの精度」と「ショートパットの精度」の掛け算です。
例:HC15のプレーヤー
- 寄せが2メートル以内に寄る確率: 40%
- 2メートルのパットのカップイン率: 70%
- アップ&ダウン成功率: 40% × 70% = 28%
どちらかを改善すればアップ&ダウン率は上がります。
- 寄せの精度を50%に改善: 50% × 70% = 35%(+7%)
- パット精度を80%に改善: 40% × 80% = 32%(+4%)
- 両方改善: 50% × 80% = 40%(+12%)
アップ&ダウン率を上げる実践ガイド
まず寄せの距離感を安定させる
寄せが5メートル以上の場所に飛んでしまうと、パーセーブの確率は急激に下がります。まずは「3メートル以内に寄せる」ことを目標に練習しましょう。
転がしアプローチを第一選択にする
状況が許す限り、パターやランニングアプローチを選択します。空中を飛ばすショットよりミスの振れ幅が小さく、確実にグリーンに乗ります。
2〜3メートルのパット練習を集中的に行う
寄せが上手く寄っても、パットを外せばアップ&ダウン不成功です。2〜3メートルのカップイン率を上げる練習は、スクランブリング改善に直結します。
アップ&ダウン率が低い場合のチェックリスト
以下のポイントをチェックしてみてください。
| チェック項目 | 改善のヒント |
|---|---|
| 寄せがグリーンに乗らないことが多い | ショットの選択を見直す。転がしを増やす |
| 寄せは乗るが5m以上に散らばる | 距離感の練習。特にキャリーのコントロール |
| 寄せは2m以内に来るがパットを外す | ショートパットのルーティンと集中力 |
| バンカーからのアップ&ダウンが極端に低い | バンカー脱出の基本技術を練習 |
まとめ
- アップ&ダウン率は「寄せの精度 × パットの精度」で決まる
- HC15の目安は25〜30%。5%改善するだけでスコアが約0.7打縮まる
- 転がしアプローチを第一選択にして安定性を上げる
- 2〜3メートルのパット練習がスクランブリング改善の鍵
寄せワンの「印象」ではなく「数字」を追いかけることで、ショートゲームの改善が加速します。
参考文献・データについて
本記事のアップ&ダウン率の基準値はShot Scope・SwingUの公開データを参照しています。
- Shot Scope「Scrambling Statistics by Handicap」 shotscope.com
- SwingU「Up and Down Conversion by Handicap」 swingu.com
- PGA Tour「Scrambling Statistics」 pgatour.com
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