- カウントバックは同スコア時の順位決定方式。後半9ホール、後半6ホール、後半3ホール、最終ホールの順に比べていく
- 正式名はマッチング・スコアカード方式。R&Aの競技運営ガイドラインにも載っている世界標準の決め方
- ハンディキャップ戦では、後半9ホールならハンディキャップの2分の1を引いてネット同士で比較する
- 比較の細部は主催者ごとに違う。同スコアの時にどう決めるかは、スタート前に告知しておくのが一番の予防策
表彰式の直前、同ネットが2人
集計を終えたら、ネット72が2人並んでいた。優勝カップは1つ。さて、どちらが優勝か。
コンペの幹事を何度かやれば、いずれ出くわす場面です。ここで使われるのがカウントバック(カウント・バックと表記されることもあります)。同スコアになったプレーヤーの順位を、スコアカードの中身で決める方式です。正式にはマッチング・スコアカード方式と呼ばれ、R&Aの競技運営ガイドライン(Committee Procedures)にも載っている、世界標準の決め方です。
マッチング・スコアカード方式の手順
仕組みは単純で、後半に強かった人を上位とします。差がつくまで範囲を狭めていくだけ。
後半9ホールの合計で比べる
10〜18番の合計を比較し、少ない方が上位。たいていはここで決着します。
後半6ホールで比べる
まだ並んでいたら、13〜18番の合計で比較します。
後半3ホールで比べる
それでも並んだら、16〜18番の合計。
最終ホール、さらにその先
18番のスコアを比較し、なお同じなら17番、16番と1ホールずつ遡っていく運用が多いようです。最後まで並んだら、抽選のような運任せにするか、同順位として扱うか。ここは主催者の判断になります。
なぜ後半なのか。プレッシャーのかかる終盤で崩れなかった人を評価する、という発想らしいです。前半に貯金を作った人が報われないので、公平かと言われると微妙な気もします。ただ、何かで決めるしかない以上、世界標準に乗っておくのが一番もめません。後半に崩れやすい自覚がある人向けには、ラウンド後半のスコア崩れを防ぐ方法という記事もあります。カウントバックで勝負が決まるのは、まさにその後半です。
AさんとBさん、共に90のシミュレーション
ハンディキャップなしのスクラッチ戦で、AさんもBさんもグロス90だったとします。
手順を追うと、まず後半9ホールの合計。Aさん45、Bさん45で並んだまま。次に後半6ホール。Aさん30、Bさん31。ここで1打差がつき、Aさんの優勝です。
内訳を見ると、Bさんは10〜12番でAさんより1打良く、13番以降で1打悪かった。合計も後半9ホールも同じなのに、その1打の位置だけで順位が入れ替わる。Bさんとしては納得しがたいでしょうが、これがカウントバックです。
ハンディキャップ戦での按分
ネット戦では計算がひと手間増えます。後半9ホールで比べるならハンディキャップ(HC)の2分の1、後半6ホールなら3分の1、後半3ホールなら6分の1を引いて、ネット同士で比較する。R&Aのガイドラインが推奨している方法です。
例を挙げます。HC18(平均スコアでいうと90台前半の実力帯)のAさんと、HC12(平均は80台半ばあたり)のBさんが、共にネット72で並んだとします。後半9ホールのグロスはAさん45、Bさん43でした。
- Aさん:グロス45から9(HC18の半分)を引いてネット36
- Bさん:グロス43から6(HC12の半分)を引いてネット37
グロスではBさんが2打少ないのに、按分するとAさんが上位。ここまで計算するコンペは正直少数派で、新ペリア方式のコンペなら「同ネットの場合はグロスの少ない方を上位」で済ませる運用もよく見かけます。ネットスコアや新ペリアの仕組み自体はネットスコアとは:コンペで使われるスコア計算法で解説しています。
HC15の半分は7.5。中途半端ですが、四捨五入せずそのまま比較に使います。0.5打差も順位を分ける差として扱います。
カウントバック以外の決め方
同スコアの決着方法は、カウントバックだけではありません。日本のコンペでよく見るものを挙げます。
年齢優先は昭和の遺物のように言われることもありますが、悪くない方式だと思っています。誰も傷つかず、一瞬で決まり、計算ミスも起きない。親睦が目的のコンペなら十分です。逆に競技志向のメンバーが集まるなら、カウントバックが順当でしょう。
幹事の実務、もめないための段取り
段取り1:決め方を事前に告知する。要項か朝の挨拶で「同ネットの場合はカウントバック、それでも同じなら年長者上位」と宣言しておきます。表彰式で初めてルールが明かされると、負けた側は納得しにくい。事前に言ってあれば、誰も文句を言いません。
段取り2:INスタートの扱いを決めておく。10番スタートの組にとっての後半9ホールは、カード上の10〜18番か、実際に後から回った1〜9番か。スタートに関係なくカード上の10〜18番で統一する運用が多いようですが、ここも決めて告知しておけばもめません。
段取り3:ホール別スコアまで回収する。合計しか書かれていないスコアカードでは、カウントバックのやりようがありません。提出時にホール別の記入を確認しておくと、集計が止まらずに済みます。
まとめ
カウントバックは、後半9ホール、6ホール、3ホール、最終ホールの順に比較範囲を狭めていく順位決定方式です。参加者としては、同点になったら後半が物を言うと覚えておけば十分。幹事なら、決め方の事前告知が仕事の9割です。遡り方やHCの按分、INスタートの扱いといった細部は主催者ごとに違うので、自分のコンペではどうするかを先に決めておきましょう。コンペ本番までの調整はコンペ前の1週間準備メニューにまとめています。
参考文献・データについて
本記事のカウントバック(マッチング・スコアカード方式)の手順とハンディキャップの按分は、R&Aの競技運営ガイドライン(Committee Procedures, Section 5A)の推奨に基づいています。比較する区間の取り方や端数の扱い、決まらない場合の措置は、主催者や競技委員会によって異なります。
- The R&A「Committee Procedures, Section 5A」 randa.org
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