- OBと紛失球は1罰打で元の位置から打ち直し。ティーショットOBなら打ち直しが3打目
- 池などのペナルティーエリアも罰は1打。赤杭なら横へのドロップも選べる
- アンプレヤブルは1罰打で3つの選択肢。バンカーから外に出すときだけ2罰打
- ボール捜索は3分まで。怪しいときは「暫定球を打ちます」と宣言してから予備を打つ
「今、何打目?」に詰まる瞬間
パー4でティーショットがOB。打ち直してフェアウェイに置き、グリーンに乗せて2パット。さて、スコアはいくつでしょうか。
答えは6です。
ここで5と数えてしまう人が、実は結構います。競技で実際より少ないスコアを提出すると、原則として失格です(規則3.3b)。仲間内のラウンドでも気まずさが残ります。
覚えることは多くありません。OB、ペナルティーエリア、アンプレヤブル、紛失球。罰打が絡むのはほぼこの4パターンで、それぞれの処置さえ頭に入れば、ラウンド中に指を折って悩む時間は消えます。2019年に大きく変わった現行ルール(2023年改訂版)で整理しました。
OBの数え方(白杭)
白杭の外はOB。処置は1つしかありません。罰1打を足して、直前に打った場所から打ち直す。ルール上の名前は「ストロークと距離の罰」です(規則18.2)。罰の1打(ストローク)と、そのショットで進んだ距離(ディスタンス)。両方を失うからこの名前です。
ティーショットがOBなら、1打目に罰の1打を足して2打消化。ティーイングエリアから打ち直す球が3打目です。セカンドショットがOBなら、同じ地点からの打ち直しは4打目。OBになった打数に2を足すと打ち直しの打数になる、と覚えると早いです。
前進4打(プレーイング4)
日本のコースには、ティーショットがOBのとき前方の特設ティーから4打目としてプレーできるローカルルールがよくあります。いわゆる前進4打、プレ4です。これは正式なゴルフ規則ではなくコースの取り決めなので、競技では基本的に使えません。仲間内のラウンドなら、迷わず使ってください。ティーに戻って打ち直すと、後ろの組が確実に詰まります。
なお2019年の改訂で、これに近い救済(罰2打で、ボールが消えたあたりのフェアウェイ付近にドロップ)が公式ローカルルールの選択肢E-5として用意されました。採用しているかはコース次第です。
ペナルティーエリアの数え方(赤杭と黄杭)
池やクリーク沿いに立っている赤い杭と黄色い杭。2019年からウォーターハザードという呼び名は消えて、ペナルティーエリアに変わりました。水がなくても、崖や深い茂みをコースがペナルティーエリアに指定していることがあります。
罰はどの選択肢を選んでも1打です。
後方線上というのは、ピンと、ボールが最後にペナルティーエリアの縁を横切った地点を結んだ線の延長線上。好きなだけ後ろに下がれます。赤杭だけに許される横のドロップ(ラテラル救済)も起点は同じ横切った地点で、ホールに近づかない2クラブレングス以内です。
ボールが水面に落ちた場所は起点ではありません。手前の縁を越えて池の奥まで飛び込んだ場合、起点は手前の縁になります。ここを間違えると誤所からのプレーで、さらに罰が加わります。
数え方の例をひとつ。パー3の1打目が池(黄杭)に入ったら、罰1打で後方線上にドロップして、次が3打目。そこからグリーンに乗せて2パットなら5です。
アンプレヤブルの数え方
木の根元、ブッシュの奥。打てないと判断したら、いつでもアンプレヤブルを宣言できます(規則19)。判断するのは自分だけで、同伴者の同意は要りません。使えないのはペナルティーエリアの中だけです。
罰1打で、選択肢は3つ。
- 元の位置から打ち直し
- ボールとピンを結ぶ後方線上にドロップ
- ボールから2クラブレングス以内(ホールに近づかない)にドロップ
パー5の2打目が木の根元で止まったとします。宣言して罰1打、横にドロップして次に打つのが4打目。無理な体勢で2回空振りするより、だいたいこちらが安上がりです。
バンカー内のアンプレヤブル
目玉やアゴのすぐ下でどうにもならないとき。上の3つは罰1打で使えますが、後方線上と2クラブレングスのドロップはバンカーの中に限られます。2019年の改訂で、合計2罰打を払えば後方線上でバンカーの外にドロップできるようになりました。何度打っても出る気がしないなら、2打払って外に出すほうが結局安い。私はそう割り切っています。
紛失球と暫定球
ボールを捜せるのは3分まで。2019年に5分から短縮されました。3分で見つからなければ紛失球で、処置はOBと同じ。罰1打で元の位置から打ち直しです。
ここで効くのが暫定球です(規則18.3)。ティーショットが林に消えて怪しいと思ったら、「暫定球を打ちます」と宣言してもう1球打っておく。元の球がOBか紛失だったら、その暫定球がそのまま3打目としてインプレーになります。ティーまで戻る往復が丸ごと消えるので、進行がまるで違います。
注意点は1つだけ。宣言せずに黙って打つと、その球は暫定球ではなく打ち直しの球としてインプレーになります。元の球がフェアウェイの真ん中で見つかっても、もう戻れません。「暫定球」と口に出す。ここだけは省略しないでください。
スコアカード記入の実例
ケース1:パー4、ティーショットOBを打ち直し
- 1打目、ティーショットがOB
- 罰1打(ここまでで2打消化)
- 3打目、ティーから打ち直してフェアウェイ
- 4打目でグリーンオン
- 2パット(5〜6打目)
記入するスコアは6。ダブルボギーです。
ケース2:パー4、前進4打を使う場合
特設ティーから打つ球が4打目。そこからグリーンに乗せて2パットなら、こちらも6です。
ケース3:パー3、池越えで黄杭に入れた場合
1打目が池、罰1打、後方線上にドロップして3打目。乗せて1パットなら4、2パットなら5。池に入れてもボギーで収まることはよくあります。数え方さえ合っていれば、慌てる場面ではありません。
数えに自信がないまま次のホールに進むのがいちばん危険です。ホールアウト直後に同伴者と打数を口に出して合わせてから、カードに書きましょう。
まとめ
罰打はOB、ペナルティーエリア、アンプレヤブル、紛失球の4パターン。OBと紛失球は罰1打プラス距離のロス、ペナルティーエリアとアンプレヤブルは罰1打で前に進めます。数え方が分かったら、次に気になるのは失った打数の大きさのはず。OB1回が実際にスコアを何打悪化させるかはペナルティのコスト分析で、ペナルティそのものを減らすコースマネジメントはペナルティ打数を劇的に減らす戦略で掘り下げています。
参考文献・データについて
本記事のルール解説は、R&AとUSGAによる2023年改訂のゴルフ規則(規則17、18、19ほか)に基づいています。ローカルルールの運用はコースによって異なるため、プレー先の掲示やスコアカードの記載を確認してください。
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