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SG:パッティング編——距離別に見る本当のパット力

ストロークスゲインド: Puttingの仕組みと分析法を解説。距離別のパッティング精度を数値化し、パット練習の優先順位を明確にします。

ゴルスコ編集部
GOLSCO Editorial
2026年5月11日6分で読めます
#SG#パッティング
この記事のポイント
  • SG: Puttingは距離別にパット能力を評価する。「平均パット数」では見えない実力がわかる
  • パッティングがスコア差に占める割合は約15%。思ったより小さいが無視はできない
  • アマチュアのパッティング改善の鍵は「3メートル以上のファーストパットの距離感」
  • 1メートルのパットと10メートルのパットを同じ1打として扱わないのがSGの強み

「パットが入らない」の正体

「今日は3パットが3回もあった。パットが本当にダメだ」。こう嘆くゴルファーは多いですが、ちょっと立ち止まって考えてみてください。

その3パット、最初のパットは何メートルからでしたか?

10メートルのファーストパットを1メートルオーバーして2パット目で入れたなら、それは「パットが悪い」のでしょうか。一方、3メートルのファーストパットを2メートルオーバーさせて3パットしたなら、それは明確な問題です。

SG: Puttingは、この違いを距離ごとに正しく評価します。


SG: Puttingの仕組み

グリーン上のすべてのパットが対象です。各パットについて、その距離からの「期待パット数」をベンチマークとして使います。

計算例

8メートルのファーストパットを考えます。

  • 8メートルからの期待パット数: 1.95打(PGAツアー基準)
  • 結果: 1メートルに寄せた → 1メートルからの期待パット数は1.04打
  • SG: 1.95 - (1 + 1.04) = -0.09

このパットは平均とほぼ同等。わずかにマイナスですが「悪いパット」とは言えません。

一方、同じ8メートルのパットが3メートルに寄った場合。

  • 3メートルからの期待パット数: 1.54打
  • SG: 1.95 - (1 + 1.54) = -0.59
-0.59
8mのパットを3mに寄せたときのSG
平均より0.59打損している。距離感に明確な課題がある

平均パット数との違い

平均パット数は手軽ですが、大きな落とし穴があります。

こうなりがち
平均パット数30/R → パーオン率が低く短いパットばかり打っていた可能性がある
おすすめ
SG: Putting +0.5/R → 距離に関係なく平均より良いパッティングをしている

パーオン率が低いプレーヤーは、グリーン周りからの寄せが1〜2メートルに寄ることが多く、そこからの短いパットが増えます。結果として平均パット数は少なくなりますが、「パットが上手い」わけではありません。

SG: Puttingは距離ごとのベンチマークを使うため、この問題が発生しません。

平均パット数が少ない=パット上手、ではない

パーオン率20%のプレーヤーの平均パット数が32で、パーオン率50%のプレーヤーが34だったとしても、後者のほうがパッティングが上手い可能性は十分にあります。SGで比較しないと真実はわかりません。


距離帯別のパッティング分析

パッティングを距離帯別に分けると、改善すべきポイントが明確になります。

距離帯特徴アマチュアの課題
1m以内決めて当然の距離集中力の欠如やルーティンの乱れ
1〜3mパーセーブの勝負どころカップインの確率が急激に下がる
3〜5mバーディーチャンス距離感と方向性の両方が求められる
5〜10mラグパットの領域2パット圏内(1.5m以内)に収める
10m以上距離感が最優先3パット回避が目標

PGAツアーのカップイン率(参考)

PGAツアーの公式統計に基づくカップイン率の目安です。

距離カップイン率
1m約99%
2m約80〜85%
3m約50〜55%
5m約25〜30%
8m約12〜15%
10m約8〜10%

アマチュアの場合、これらの数値は大幅に下がります。特に2〜3メートルのカップイン率の差がスコアに直結します。


パッティング改善の優先順位

10m以上のラグパットの距離感を磨く

長いパットで3パットを防ぐことが最優先です。カップインを狙うのではなく、1.5メートル以内の円に収めることを目標にします。

1〜3mのカップイン率を上げる

パーセーブに直結する距離帯です。ルーティンの確立、アライメントの確認、ストロークの安定性がポイントになります。

グリーンの読みを改善する

パットが外れる原因の多くは「読み間違い」です。傾斜の見方を学び、カップの低い側からラインを確認する習慣をつけましょう。


パッティングの「思い込み」をデータで検証

「ショートパットを外しすぎ」

1メートル以内のパットはプロでも99%で100%ではありません。ラウンドで1〜2回外すことは統計的に異常ではないのです。問題は「頻度」であり、SG: Puttingで1m以内のSGを見れば客観的に判断できます。

「ロングパットの距離感が悪い」

10メートル以上のパットでカップから2メートル以内に寄せられていれば、それはPGAツアーの平均に近いパフォーマンスです。3パットしたとしても、ファーストパットの質は悪くないかもしれません。

「入れごろ外しごろが苦手」

2〜3メートルのパットは、PGAツアーでもカップイン率が50〜85%の範囲です。半分外れても「下手」とは限りません。SGで自分の実際のカップイン率を計算し、基準値と比較してみましょう。


まとめ

  1. SG: Puttingは距離ごとにパットの質を正しく評価する
  2. 平均パット数はパーオン率の影響を受けるため、単独では信頼できない
  3. 長いパットの距離感(ラグパット)が3パット防止の鍵
  4. 1〜3メートルのカップイン率がパーセーブに直結する

パットの「印象」と「実力」は別物です。SGで自分のパッティングを距離別に分析し、本当に練習すべき距離帯を見極めましょう。


参考文献・データについて

本記事のSG理論はMark Broadie教授の研究に基づいています。カップイン率はPGAツアー公式統計を参照しています。

  1. Mark Broadie『Every Shot Counts』(2014, Avery)
  2. PGA Tour「SG: Putting Statistics」 pgatour.com
  3. PGA Tour「Putting Distance Statistics」 pgatour.com
  4. Shot Scope「Putting Statistics by Handicap」 shotscope.com

ゴルスコ編集部

ゴルフスコア分析アプリ「ゴルスコ」の編集部です。データとスタッツに基づいたゴルフ上達のヒントをお届けします。

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