- 林で最初にやるのは素振りではなくルート探し。横、後ろ、前の3つを見比べる
- 採点項目は枝の高さと幅、足場と地面、出た後のライの3つ
- 選ぶ基準は1打で確実にフェアウェイへ戻れること。グリーン方向の隙間は賭け
- 大叩きを招くのは林に入れた1打より、林から欲を出した2打目
林の中で最初にやること
ティーショットが曲がって林の中。ここで多くの人が最初にやるのは、球の横に立って素振りをすることです。私も昔はそうでした。先にスイングを作ってしまうと、そのスイングで打てるルートを探し始めます。順番が逆です。
最初にやるのはルート探しです。球の後ろに立って、出られる可能性のある方向を3つ挙げます。横、後ろ、そして前。番手を選ぶのも素振りをするのも、ルートが決まってからで間に合います。
なお、枝の下を低い球で通す打ち方そのものは、この記事では扱いません。技術はパンチショットの打ち方と使いどころにまとまっているので、ここではどこへ出すかの判断だけを詰めます。
3ルートの採点
挙げた候補を、それぞれ3つの項目で見ます。
枝の高さと幅
球の通り道として見ます。地面から枝までの高さと、幹と幹の間の幅。立ったまま眺めず、球の高さまでしゃがむと見え方が変わります。低く出したつもりの球は思ったより上がるので、高さは余裕を持って見積もります。
足場と地面
木の根、ベアグラウンド(芝のない裸の地面)、積もった落ち葉。足場が斜めだったり球が沈んでいたりするルートは、隙間が広く見えても成功率が落ちます。打てるライかどうかは、隙間の広さと同じくらい効きます。
出た後のライ
出た球がどこに止まるかまで想像します。フェアウェイに戻れるのか、反対側のラフまで突き抜けないか、残り距離と角度は次で打ちやすいか。脱出は林を出た瞬間ではなく、次の1打が普通に打てて完了です。
1打で確実に戻る基準
採点が終わったら、選ぶ基準はひとつです。1打で確実にフェアウェイへ戻れるか。
グリーン方向に細い隙間が見えると、距離を稼ぎたくなります。ただ、その隙間を通る確率と、外れたときの行き先を並べると割に合いません。枝は1本でも球を落としますし、幹に当たれば足元より深い場所へ跳ね返ります。次も林からなら、稼ごうとした距離ごと消えます。隙間狙いは、成功して1打の得、失敗すれば2打や3打の損という賭けです。
私にも覚えがあります。残り170ヤードの隙間に7番を通そうとして幹に当て、球は自分の後ろへ。次は出すだけ、その次も乗らず、素直に横へ出していればボギーだったホールが7になりました。あの隙間の形は今でも思い出せます。
横に出してボギーで収める判断は、消極的に見えて計算が合っています。
全ホールボギーでちょうど90。どこかで1つパーを拾えば89です。つまり林からのボギーはまだ勝負の中にいて、ここでダブルやトリプルを打つと、他のホールで取り返す計算に変わります。ダブルボギーがスコアに効く仕組みはダブルボギーを減らすだけでスコアが変わる理由に書きました。
2打目の欲
大叩きの原因を林に入れたティーショットだと思いがちですが、記録を見返すと、傷を広げているのはたいてい次の1打です。林に入れた時点で失ったのは位置だけで、スコアはまだ崩れていません。崩すのは、そこから欲を出した2打目です。
攻めるか守るかの線引きそのものはリスクと見返りの判断基準で扱っているので、林に限った結論だけ書きます。林の中は守る場所です。攻める場所は、フェアウェイに戻ってから探せば足ります。
ルートを決めたら、クラブを持ったまま10秒だけ立ち止まって、選んだ理由を口の中で言ってみてください。横に出す、次で乗せにいく、で説明が終われば大丈夫。隙間さえ通れば、が混ざっていたら決め直しです。
出す前の確認
ルートを決めても、打つ前に3つだけ確かめます。
- スイングスペース。バックスイングとフォローで枝や幹に当たらないか、実際に振る前にクラブをゆっくり動かして確かめます。当たるなら振り幅を小さくするか、ルートを変えます
- 足場とライ。木の根の上や際で打つとクラブや手首を傷めます。根に掛かるようなライなら、アンプレヤブル(1打罰で救済を受ける選択)も候補に入れます
- 枝と規則。生えている枝を折ったり曲げたりしてスイングの空間を広げると罰があります。動かしてよいのは落ちている枝や葉までで、取り除く途中で球が動けばこれも罰です
規則の扱いは一般論として書いています。競技やローカルルールで細部が変わるので、迷ったら確認してください。
よくある質問
前に大きな隙間が見えるときも横に出すべきですか?
林の中から見る隙間は、実際より広く見えます。数歩離れて球の高さから見直して、それでも通路と呼べる幅と高さがあるなら前も候補です。ただし条件は同じで、外れても1打でフェアウェイに戻れること。迷いが残る時点で、それは通路ではなくただの隙間です。横に出してください。
後ろに出すのは損した気分になりませんか?
なります。ただ、失っているのは距離だけで、打数はまだ失っていません。横が塞がっているのに無理に横へ出して枝に当てれば、そこで初めて打数を失います。後ろはライと角度を自分で選べる唯一のルートで、3つの中で一番地味で、一番確実です。
まとめ
林に入ったら、素振りの前にルート探し。横、後ろ、前を枝の高さ、地面、出た後のライで採点して、1打で確実にフェアウェイへ戻れるルートを選ぶ。この基準を満たさない隙間は、どれだけ魅力的でも通路ではありません。横に出してボギーで収めるゴルフは、90切りの計算をまだ壊していません。そもそも林に入れないための組み立てはトラブルを未然に防ぐマネジメント術にまとめてあります。
参考文献・データについて
本記事の判断基準と手順は、コーチングの現場で使われる一般的な目安に基づくもので、特定の調査データを参照したものではありません。スコアに関する数値は計算上の整理です。
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